高校無償化の申請は済ませたものの、「東京都ではいつ振り込まれるんだろう?」と、振込日を待つ間は少し落ち着かない気持ちになりますよね。
この記事では、振込時期の目安から手続きの注意点まで、家計の計画が立てやすくなるよう、一つひとつ丁寧に解説していきます。
【忙しい方へ:要点まとめ】東京都独自の「授業料軽減助成金」は、申請された保護者の方の口座へ直接振り込まれます。ただし、振込時期はお子様が通う学校の所在地や審査の状況によって変わるため、あくまで目安としてご確認くださいね。
学校の所在地 | 振込月(目安) |
---|---|
都内にある私立高校など | 10月、12月、翌年3月のいずれか(分割) |
都外にある私立高校など | 12月、翌年3月のいずれか(分割) |
※国の「就学支援金」は、保護者の方が直接現金で受け取るのではなく、学校が代理で受領して授業料に充当される仕組みです。
東京都の高校無償化はいつ振り込まれる?まずは制度の全体像から

高校の授業料支援と一言でいっても、実は国の制度と東京都独自の制度が組み合わさっていて、少し複雑に感じられるかもしれません。
でも大丈夫ですよ。まずはお金の流れやスケジュールの全体像を一緒に把握することから始めませんか。そうすることで、「いつ、どこから、どうやって支援されるのか」がクリアになり、漠然とした不安もきっと軽くなるはずです。
2025年度の振込スケジュールが一目でわかる早見表
東京都の授業料支援には、ご家庭の口座に直接振り込まれるものと、学校側で手続きが進むものの2種類があります。特に保護者の方の関心が高い、口座に直接振り込まれる東京都独自の「授業料軽減助成金」のスケジュールは、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
対象となる支援金 | 東京都 私立高等学校等授業料軽減助成金 |
振込先 | 申請者(保護者)名義の銀行口座 |
都内校の振込時期 | 10月、12月、翌年3月のいずれかの月(分割) |
都外校の振込時期 | 12月、翌年3月のいずれかの月(分割) |
振込月は、申請内容の審査が完了したタイミングによって前後するため、すべての方が10月に第一回目の振込を受けられるわけではない、という点は心に留めておいてくださいね。あくまで目安として、家計の計画にお役立ていただければと思います。
国と都の「二階建て制度」の仕組みを正しく理解する
東京都の高校授業料無償化は、2つの制度を組み合わせて実現されています。この違いを理解することが、お金の流れを把握する上でとても大切なんです。
まるで、国からもらえる「授業料の割引クーポン」と、東京都からもらえる「現金キャッシュバック」のような関係、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
- ① 国の「就学支援金」(割引クーポン役)
- 全国共通の制度です。
- 保護者に代わって学校が直接受け取り、授業料と相殺します。
- このため、ご家庭の口座に現金が振り込まれることはありません。
- ② 東京都の「授業料軽減助成金」(キャッシュバック役)
- 東京都独自の上乗せ制度です。
- 審査完了後、保護者名義の口座へ直接振り込まれます。
- この記事で主に解説している「振込」はこちらを指します。
つまり、授業料の請求額から、まず国の支援金分が差し引かれます。それでもまだ残る負担額を、後から都の助成金が補ってくれる、という流れになっています。
授業料以外に必要となる費用も事前にチェックしよう
「実質無償化」という言葉はとても心強いですが、一つだけ注意点があります。この制度でカバーされるのは、あくまで「授業料」だけなんです。特に私立高校の場合、授業料以外にも様々な費用が必要になります。
【授業料以外にかかる費用の例】
- 入学金(初年度のみ)
- 施設設備費、維持費
- 制服代、指定品購入費
- 教材費、ICT関連費
- 修学旅行積立金、課外活動費
これらの費用は助成の対象外となり、ご家庭で準備する必要があります。入学手続き時に支払う初年度納付金は、まとまった金額になることも少なくありません。事前に学校の募集要項などでしっかり確認し、慌てないように準備しておくと安心です。
これらの費用について、より詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
(内部リンク:高校入学でかかる費用は総額いくら?)
「学費の引き落とし、間に合う?」保護者が抱えるリアルな悩み

学校から学費の納入通知書が届くと、具体的な金額を前にして「支援金はいつ入るんだろう?」という疑問が、急に切実な不安に変わること、ありますよね。毎日お忙しい中で、公式サイトの複雑な情報を一つひとつ読み解くのは、本当に大変なことだと思います。ここでは、多くの保護者の方が抱える共通の悩みについて、少しだけ共有させてください。
振込日が不明で家計の計画が立てられないという不安
「10月、12月、3月のいずれか」と分かっていても、具体的な日付までは分かりません。そうなると、口座にいくら準備しておけばいいのか、正確な計画が立てにくいものです。
特に、パート収入の増やし方や他の支出とのバランスを考えながら家計を管理されている方にとって、数万円単位の入金時期がはっきりしないのは、大きな悩みの種になりますよね。納入通知書を前に、思わずため息が出てしまうお気持ち、本当によく分かります。
複雑な制度と分かりにくい公式サイトの情報に困惑
東京都の高校無償化について調べようとすると、「国の就学支援金」と「都の授業料軽減助成金」という二つの言葉が出てきて、混乱してしまう方は少なくありません。
- 結局、どちらが自分の口座に入るの?
- 申請サイトも別々で、なんだか分かりにくい…。
- 一番知りたい、我が家はいくらもらえるの?
このように、知りたい情報にすぐたどり着けないことも、不安な気持ちを大きくしてしまう一因かもしれません。
私の申請手続きは本当にこれで合っていた?という心配
オンラインでの申請は便利ですが、申請ボタンを押した後も「本当に、ちゃんと手続きできただろうか…」と不安に感じるものです。特に、慣れないマイナンバーカードの読み取りや課税証明書のアップロード作業が続くと、心配も募ります。
「もし何か不備があって、支援金がもらえなかったらどうしよう…」「財団からの大切なメールを見落としていないかな?」といった心配は、「審査完了」の通知が届くまで、ずっと心に引っかかってしまうものですよね。
授業料の一時的な立て替えは必要になるのかという疑問
これが、もしかしたら最も現実的なお金の心配かもしれませんね。結論から言うと、多くの場合で、授業料の一時的な立て替えは必要になります。その理由は、都の助成金が振り込まれるのが、学校へ授業料を納付した「後」になるからです。
例えば、前期分の授業料を7月や9月に納付し、それに対する助成金が10月以降に振り込まれる、という流れが一般的。このタイムラグを理解して、数か月分の授業料を一時的に準備しておく必要がある点は、この制度を利用する上で知っておきたい大切なポイントです。
【ケース別】授業料支援金の振込時期と手続きの完全ガイド

さて、ここからは皆さまの不安を解消するために、具体的な振込スケジュールや手続きのポイントを、一つひとつ丁寧に解説していきます。ご自身の状況と照らし合わせながら、確認してみてください。
①都内・都外の私立高校で異なる振込スケジュール
先に述べた通り、助成金の振込時期は、お子様が通う学校が都内にあるか、都外にあるかで少し異なります。これは、都外の学校との在学状況の確認などに時間がかかるため、と言われています。
学校の所在地 | 振込スケジュール(目安) |
---|---|
都内の私立高校など | 10月、12月、翌年3月のいずれかの月に分割して振込 |
都外の私立高校など | 12月、翌年3月のいずれかの月に分割して振込 |
このスケジュールは、あくまで申請内容に不備がなく、審査が順調に進んだ場合の目安です。家計の計画を立てる際は、少し余裕を持った資金繰りを考えておくと、より安心できるかもしれません。
②申請内容に不備があった場合の振込時期への影響
もし申請内容に不備があった場合、登録したメールアドレスに「【東京都私学財団】申請内容の不備訂正について」といった件名で連絡が来ます。スーパーの特売情報や学校の連絡網メールに紛れて見落としてしまいがちですが、この連絡にはできるだけ速やかに対応することが非常に重要です。
- 不備の例:
- アップロードした証明書の画像が不鮮明
- 入力内容と証明書の内容が一致しない
- もし不備を訂正しなかったら:
- 残念ながら審査が進まず、助成金が交付されない可能性があります。
- 振込時期への影響は?:
- 不備の訂正が完了したタイミングから審査が再開されるため、当初の予定より振込が後ろ倒しになります(例えば、10月振込の予定が12月になる、など)。
申請期間が終わった後、年末頃までは、普段より少しだけこまめにメールをチェックする習慣をつけておくと安心です。
③国の就学支援金と都の助成金、2つの手続きを解説
授業料の支援を最大限(最大49万円)受けるためには、国の制度と都の制度、両方への申請が必須だということを、改めてお伝えさせてください。片方だけでは支援額が上限に達しないため、十分にご注意くださいね。
制度名 | 申請システム | 申請の窓口・方法 |
---|---|---|
国の就学支援金 | e-Shien | 学校から配布されるIDでオンライン申請 |
都の授業料軽減助成金 | 東京都私学財団の申請サイト | 保護者が直接サイトに登録してオンライン申請 |
このように、申請窓口が全く異なるのが少しややこしい点です。特に都の助成金は、学校からの案内を待つだけでなく、保護者自身が東京都私学財団のウェブサイトを確認しにいく必要があります。
参照: 高等学校等就学支援金オンライン申請システム e-Shien|文部科学省
④申請に必須の条件とは?在住・在学要件の確認点
東京都の授業料軽減助成金を受けるためには、主に以下の2つの条件を満たしている必要があります。
- 在住要件
- 保護者(申請者)と生徒さんが、令和7年5月1日から申請時まで継続して東京都内に住所を有していることが原則です。
- 在学要件
- 基準日(通常は7月1日)に、対象となる私立高校などに在学している必要があります。
- 都外の私立高校に通っている場合も対象になります(一部通信制を除く)。
所得要件については、2024年度から都の助成金には所得制限がなくなりました。ただし、国の支援金との支給額の内訳を決めるために、すべての世帯が所得を証明する書類(課税証明書など)を提出する必要がある、という点は覚えておいてください。
⑤我が家の支給額はいくら?公式シミュレーションの活用法
「結局、うちの場合は具体的にいくら助成されるの?」という一番気になる疑問。これを解決するために、公益財団法人東京都私学財団が便利なシミュレーションツールを公式サイトで提供しています。
お手元に最新の「課税証明書」をご用意の上、そこに記載されている「区市町村民税課税標準額」などの数字を入力すると、ご家庭の助成額の目安をかなり正確に把握できます。単純な年収だけでなく、扶養家族の状況なども細かく反映されるので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
参照: 育英資金シミュレーション|公益財団法人東京都私学財団
東京都の授業料支援制度について知っておきたいQ&A

それでは最後に、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。申請や振込に関する細かな不安を、ここでスッキリ解消していきましょう。
Q. 申請手続きはいつまでに行えば間に合いますか?
A. 最も一般的な「通常申請」の期間は、例年7月1日から7月31日までとなっています。この期間は厳守で、原則として遅れた場合は受け付けられません。学校からの案内を注意深く確認し、余裕をもって手続きを進めるのがおすすめです。もし、やむを得ない事情がある方向けには、翌年1月に「特別申請」の期間が設けられることもあります。
Q. 通帳にはどのような名義で振り込まれるのでしょうか?
A. 振込先の口座は、必ず申請者本人(保護者)名義の個人口座を指定する必要があります。生徒さん本人や配偶者の方など、申請者と異なる名義の口座は指定できないのでご注意ください。通帳には「トウキヨウトシガクザイダン」といった名義で記載されるのが一般的です。
Q. もし振込が確認できない場合、どこに聞けばいいですか?
A. 予定の月を過ぎても振込が確認できない、あるいは審査結果の通知がなかなか来ないなど、心配なことがある場合は、下記の公式窓口へ問い合わせるのが最も確実で安心です。なお、申請状況は個人情報のため、必ず申請者ご本人が連絡するようにしてくださいね。
- 問い合わせ先: 東京都私学就学支援金センター
- 電話番号: 03-5206-7925 (授業料軽減担当)
- 受付時間: 9:15~17:00(土日・祝日・年末年始を除く)
Q. なぜ私立高校の無償化は「ずるい」と言われるのですか?
A. これはとても難しい問題ですよね。主に税金の使い道や教育の公平性といった観点から、本当に様々な意見があります。「私立は個人の選択なのだから、公費で手厚く支援するのは不公平では」という意見や、「地域の公立高校から生徒が減ってしまうのでは」といった心配の声があるのは事実です。その一方で、「家庭の経済状況に関わらず、子どもが行きたい学校を選べるようにすべき」という強い支持の声もあります。
Q. この支援金は一度申請すれば卒業まで継続されますか?
A. いいえ、継続されません。大切なことなので繰り返しますが、この支援金は、毎年度(学年ごとに1回)申請が必要です。自動更新ではないので、高校2年生、3年生に進級した際も、忘れずに改めて申請手続きを行ってください。毎年7月頃に申請があることを見越して、スマートフォンのカレンダーに登録しておくと安心かもしれませんね。
不安を解消して、高校生活の準備を計画的に進めましょう

ここまで、東京都の高校無償化における支援金の振込時期や手続きについて、詳しく見てきました。色々と決まりがあって大変ですが、一つひとつのポイントを押さえれば、きっと大丈夫です。
振込時期を正確に把握して、安心して学費の準備を
この記事で解説した振込スケジュールの目安を元に、一時的な立て替えが必要な金額や時期を把握して、家計の計画を立ててみてください。いつ頃に入金されるか分かっているだけで、心の負担は大きく変わるはずですから。
不明な点は一人で悩まず早めに問い合わせることが大切
個別の事情で分からないことや、審査状況についてどうしても不安な場合は、一人で抱え込まずに公式の「東京都私学就学支援金センター」へ電話で問い合わせてみましょう。専門の担当の方が、きっと丁寧に答えてくれます。
お子様が自分らしく学べる道を全力でサポートするために
教育費に関する不安は、保護者の方にとって本当に大きな問題です。ですが、こうした制度を上手に活用すれば、その負担を大きく軽くすることができます。心の余裕を持つことが、お子様が安心して学校生活を送り、自分らしい道を進むための、何よりのサポートに繋がるはずです。
この記事で大まかな流れは掴んでいただけたでしょうか。個別のケースで不安な点は公式サイトで確認したり、問い合わせ窓口を活用したりすることが、安心への一番の近道です。早めに確認を済ませて、心に余裕を持ってお子様の高校生活を応援してあげてくださいね。