お子様の高校進学が近づき、教育費の不安を感じていませんか？三重県の高校無償化について、「うちの世帯年収でも対象になるの？」と具体的な情報を探している方も多いはず。この記事を読めば、制度の詳しい内容から申請方法まで、あなたの疑問や不安がスッキリ解消します。
【この記事の結論】三重県の高校無償化は、国の就学支援金と県独自の上乗せ補助から成り立っています。世帯年収約910万円未満であれば、国の支援対象となります。特に、ご質問の多い年収約590万円から910万円未満の世帯の場合、私立高校でも国から年118,800円、さらに三重県独自の補助として年12,000円が支給されます。
【2025年版】三重県の高校無償化、うちの年収でも対象になる？
お子様の高校進学、おめでとうございます。嬉しい気持ちと同じくらい、これから3年間にかかる教育費を考えると、家計への影響が心配になるお気持ち、とてもよく分かります。「高校無償化」という言葉は聞くけれど、自分の家庭が本当に当てはまるのか、はっきりしないと不安ですよね。
大丈夫です。この制度は多くの子育て世帯を支えるために作られています。まずはその仕組みを一つひとつ、一緒に確認していきましょう。
2025年から制度拡充！まずはこの3点をチェック
まず、最も大切な結論からお伝えしますね。2025年度から、三重県の高校授業料支援はさらに手厚くなります。難しい話は後にして、まずは以下の3つのポイントだけ押さえておきましょう。これだけでも、きっと心が軽くなるはずです。
- ポイント1：公立高校は全世帯で授業料が実質無償に
2025年度から所得制限が事実上撤廃され、どのご家庭でも公立高校の授業料（年額118,800円）が支援されることになりました。 - ポイント2：私立高校も支援の対象が広がります
これまで対象外だった世帯も、年額118,800円の基礎支援を受けられるようになります。もちろん、年収約910万円未満の世帯には、これまで通りの支援が続きます。 - ポイント3：三重県独自の「上乗せ支援」がある
国の制度に加えて、三重県が独自に行っている補助金があります。これにより、特に中間所得層の負担が少しでも軽くなるよう配慮されています。
国の支援金と三重県の独自補助、二階建ての仕組み
三重県の高校無償化を理解する上で大切なのは、制度が「国の就学支援金」を土台とし、その上に「三重県独自の補助」が乗っている二階建て構造になっている点です。
国の「高等学校等就学支援金制度」が全国一律の基本的な支援を保障し、三重県が県内のご家庭の実情に合わせて、さらに手厚いサポートを追加してくれている、とイメージすると分かりやすいでしょう。この二つの支援を合わせることで、県民の教育費負担を少しでも和らげようという仕組みになっています。
| 制度の種類 | 役割 | 担当 |
|---|---|---|
| 【1階部分】国の就学支援金 | 全国の高校生を対象とした基本的な授業料支援 | 国（文部科学省） |
| 【2階部分】三重県独自の補助 | 国の支援を補い、県民の負担をさらに軽減 | 三重県 |
教育費の不安…高校無償化の「わからない」を解消しませんか？
「制度があるのは知っているけれど、なんだか複雑でよくわからない…」。周りのママ友との会話でも、そんな声をよく耳にしますよね。特にお子様の進路が公立か私立かで大きく変わるため、今のうちから正確な情報を知っておきたいもの。「うちの収入では対象外かも」と最初から諦めてしまう前に、まずは制度の仕組みを正しく理解することが大切です。
ここでは、多くの方がつまずきやすいポイントを一つひとつ丁寧にほどいていきます。
「年収910万円の壁」だけじゃない所得制限の複雑な仕組み
よく「年収910万円がボーダーライン」と言われますが、これはあくまで特定の家族モデルを想定した「目安」に過ぎません。実際の判定は、ご家庭の総所得ではなく、住民税の「課税標準額」という専門的な数値を使って、以下の計算式で算出されます。
(市町村民税の課税標準額 × 6%) − (市町村民税の調整控除の額)
「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、まるで複雑なパズルのようで、どこから手をつけていいか分からなくなりますよね。でも、大切なのは「源泉徴収票の年収額だけで決まるわけではない」という点です。
扶養家族の人数など、個々の状況によって判定額は変わります。そのため、目安の年収を少し超えている場合でも、支援の対象となる可能性は十分にあるのです。
公立と私立、どちらに進学するかで支援額は大きく変わる？
はい、進学先が公立か私立かによって、支援金の額や自己負担額は大きく変わってきます。これは、授業料そのものに大きな差があるためです。それぞれのケースを具体的に見てみましょう。
- 公立高校の場合
三重県の県立高校の授業料は、年額118,800円です。国の就学支援金の基準額も同額のため、所得要件を満たせば、授業料は支援金で完全に相殺され、実質負担は0円になります。 - 私立高校の場合
私立高校は学校ごとに授業料が異なりますが、公立より高額なため、支援も手厚くなっています。世帯の所得に応じて、最大で年額396,000円の支援が国から支給されます。
どちらの進路を選ぶにしても、この制度が家計の大きな助けになることは間違いありません。
授業料以外にもかかる費用、一体いくら準備すれば安心？
「無償化」という言葉から、高校生活の費用がすべてゼロになると誤解されがちですが、ここは注意が必要です。この制度が対象としているのは、あくまで「授業料」のみなのです。
いざ春になって入学してみたら、制服や教科書、通学用のカバンなどで、思った以上の出費が…！なんて話もよく聞きます。実際には、下記のような費用が別途必要になります。
- 教科書代、教材費
- 制服代、体操服代
- PTA会費、生徒会費
- 修学旅行の積立金
- 部活動にかかる費用
これらの費用は年間で数十万円にのぼることも。ただ、ご安心ください。授業料以外の負担を軽減するための「高校生等奨学給付金」という別の制度もちゃんと用意されています。
申請を忘れたらどうなる？手続きへの漠然とした不安
この支援金は、残念ながら自動的に支給されるものではありません。必ず保護者の方による申請手続きが必要です。もし申請を忘れてしまうと、その期間の支援は受けられなくなってしまいます。
「手続きが大変そう…」と心配になるかもしれませんが、大丈夫ですよ。通常、申請は高校入学後の4月頃に、学校から詳しい案内があります。また、手続きは国のオンラインシステム「e-Shien」を使ってスマホやパソコンから行えるため、思ったよりも簡単に進められます。毎年更新が必要ですが、その都度学校が知らせてくれるので、忘れる心配も少ないでしょう。
世帯年収別にみる三重県の高校授業料支援、我が家のケース
いよいよ、我が家の場合はどうなるのか。ここが一番知りたいところですよね。ご家庭の状況に合わせて、具体的にどれくらいの支援が受けられるのかを詳しく見ていきましょう。「我が家の場合はどうなるの？」という疑問に、しっかりお答えしていきます。
シミュレーションを通じて、将来の家計の見通しを立てるお手伝いができれば幸いです。
あなたの世帯は対象？所得制限の計算方法を優しく解説
支援の対象になるかどうかは、先ほど触れた計算式で算出した額が、国の定める基準額を下回るかどうかで決まります。基準となるのは、主に以下の2つのラインです。
| 算出額 | 年収目安 | 私立高校の支援額（国） |
|---|---|---|
| 154,500円未満 | ～約590万円 | 最大 396,000円 |
| 304,200円未満 | ～約910万円 | 118,800円 |
世帯年収が約600万円のご家庭の場合、下の「304,200円未満」の区分に該当する可能性が高いと考えられます。ご自身の正確な状況は、市区町村が発行する「課税証明書」などで「課税標準額」を確認すると、よりはっきりと分かります。
【公立高校】授業料は実質0円に！その仕組みと注意点
もしお子様が公立高校に進学する場合、授業料の心配はほとんどなくなると考えてよいでしょう。その理由は非常にシンプルです。
- 三重県立高校の授業料（年額）：118,800円
- 国の就学支援金の基準額（年額）：118,800円
この二つの金額が全く同じであるため、所得要件を満たす世帯では、県が受け取った支援金で授業料を直接相殺してくれます。その結果、保護者の方が授業料を支払う必要がなくなり、実質的な負担が0円になるのです。ただし、入学料（5,650円）や教科書代などの諸経費は別途必要になる点だけ、覚えておきましょう。
【私立高校】国の支援金＋三重県独自の上乗せ補助とは
私立高校への進学を考えているご家庭にとって、特に心強いのが三重県独自の上乗せ補助です。国の制度だけでは手が届きにくい部分を、県がしっかりとサポートしてくれます。
年収約590万円から910万円未満の世帯（所得判定基準額304,200円未満）の場合、以下のような二階建ての支援が受けられます。
- 国の就学支援金：年額 118,800円
- 三重県の授業料減免補助金：年額 12,000円
これにより、合計で年額130,800円の支援が受けられることになります。年収約590万円を少し超えるだけで国の支援額がガクッと減ってしまう「支援の崖」。この三重県の12,000円は、その崖の段差を少しでもなだらかにしてくれる、本当にありがたい制度なんです。詳しくは三重県の公式ページでも確認できます。
2025年から所得制限が撤廃！制度はいつからどう変わる？
子育て世帯にとって、さらに嬉しいニュースがあります。2025年4月から、国の制度が改正され、所得制限が事実上撤廃されることになりました。これは「高校生等臨時支援金」という新しい制度が始まるためです。
この変更によって、何が変わるのでしょうか。
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| 対象者の拡大 | これまで所得制限（年収約910万円以上）で対象外だった世帯も、支援を受けられるようになります。 |
| 支援金額 | 新たに対象となる世帯には、基礎支援額である年額118,800円が支給されます。 |
| 大きな影響 | この改正により、公立高校の授業料は、所得にかかわらず全ての世帯で実質無償化が達成されます。 |
この改革は、高校教育が「一部の家庭を助ける支援」から「すべての子どもたちを支える支援」へと大きく変わる、重要な一歩と言えるでしょう。
e-Shienで簡単！申請手続きの流れと必要書類を解説
「やっぱり手続きが難しそう…」という不安を解消するために、申請の具体的な流れを確認しておきましょう。手続きは、文部科学省のオンラインシステム「e-Shien（イーシエン）」を使って、ご自宅のスマホやパソコンから行います。
- 申請時期：新入生は入学後の4月頃、在校生は毎年7月頃です。
- 案内：時期が来たら、必ず高校から詳しい案内がありますのでご安心ください。
- 準備するもの：学校から配布されるID通知書と、保護者の方のマイナンバーカードがあれば手続きがスムーズです。
- 手続きの概要：
- e-Shienにログインする
- 画面の指示に従い、世帯情報などを入力する
- マイナンバーカードを使って所得情報を連携させる（※）
- 内容を確認してオンラインで提出完了
（※）マイナンバーカードがない場合は、課税証明書などを学校に提出する方法もあります。
もし途中で分からなくなっても、学校の事務室が丁寧に教えてくれますので、一人で抱え込まずに、気軽に相談してみてくださいね。
授業料だけじゃない！知っておきたい三重県の教育費支援制度
授業料のめどが立つと、少しだけ肩の荷がおりますよね。でも、安心するのはまだ早いかもしれません。先にも触れたように、高校生活には授業料以外にも様々なお金がかかります。
大丈夫です、三重県にはそうした授業料以外の教育費をサポートするための制度も、ちゃんと用意されています。ご家庭の状況に合わせて利用できるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
教科書代などを支援する「高校生等奨学給付金」とは
この制度は、特に所得の低いご家庭を対象とした、返還が不要な「給付型」の奨学金です。授業料を支援する「就学支援金」とは目的が異なり、教科書費や学用品費、通学用品費など、授業料以外の教育費の負担を軽くすることを目的としています。
- 対象となる世帯
- 生活保護受給世帯
- 保護者の方の住民税所得割額が非課税の世帯
- 給付額の目安
私立高校に通う非課税世帯の場合、物価高騰への対策分も含め、年間15万円を超える給付が受けられる場合もあり、家計にとって非常に大きな支えとなります。
もしもの時に頼れる三重県の修学奨学金（貸与型）
こちらは、経済的な理由で高校での勉強を続けるのが難しい生徒に対して、三重県が無利子でお金を貸してくれる「貸与型」の奨学金です。
「高校生等奨学給付金」との大きな違いは、卒業後に返還の必要があるという点です。しかし、無利子であるため、民間の教育ローンなどと比べて安心して利用することができます。勉学への意欲がある生徒を力強く後押ししてくれる制度で、返還されたお金は、次の世代の後輩たちのために活用されていきます。
家計が急変した世帯への特別なセーフティネット
保護者の方の失職や倒産、病気による長期療養など、予測できない事態によって家計の状況が急に厳しくなってしまうこともあります。そんな「もしも」の時に備えるための特別な支援が、「家計急変支援制度」です。
通常の就学支援金は前年の所得で審査されますが、この制度では、家計が急変した後の収入見込みで審査をしてくれます。そのため、急な収入減にも迅速に対応してもらえる可能性があります。不測の事態に陥ったご家庭にとって、学びを諦めずに済むための重要な命綱となる制度です。
【FAQ】三重県の高校支援金でよくある質問と回答
ここでは、保護者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。ご自身のケースと照らし合わせながら、疑問点の解消にお役立てください。
Q. 共働きの場合、世帯年収はどう計算されますか？
A. はい、親権者である保護者の方がお二人とも働いている場合は、お二人の所得を合算して判定されます。ただし、単純に年収額を足すのではなく、それぞれの方の「市町村民税の課税標準額」などを基にした計算式で算出された額が基準となります。
Q. 申請を忘れたら、さかのぼって支援金はもらえますか？
A. いいえ、残念ながら原則として、さかのぼって受給することはできません。支援金の支給は、申請手続きが完了した月から開始されます。学校からの案内を見逃さないよう注意し、必ず期限内に手続きを済ませることが非常に重要です。
Q. 三重県外の高校に進学した場合でも対象になりますか？
A. はい、国の「高等学校等就学支援金」は全国共通の制度ですので、三重県外の対象校に進学した場合でも支援を受けられます。ただし、三重県独自の「授業料減免補助金」のような、自治体による上乗せ支援は、お住まいの地域や学校の所在地の制度によって要件が異なりますので、個別の確認が必要です。
Q. 兄弟がいると支援額は増えますか？
A. 就学支援金の支給額そのものが、兄弟がいることで直接増えることはありません。しかし、扶養しているお子様の人数は、住民税を計算する際の「扶養控除」の額に影響します。その結果、世帯の課税標準額が下がり、所得判定でより有利な区分（より多くの支援を受けられる区分）に該当する可能性はあります。
まとめ：不安を解消し、お子様に最適な進路選択を
ここまで、三重県の高校無償化制度について、詳しく解説してきました。複雑に感じられた制度も、一つひとつ見ていくことで、その全体像をご理解いただけたのではないでしょうか。教育費への漠然とした不安が、少しでも具体的な見通しに変わっていれば幸いです。
本記事で解説した三重県の高校無償化制度の重要ポイント
最後に、この記事でお伝えした最も大切なポイントを振り返っておきましょう。
- 2025年度から公立高校は所得にかかわらず授業料が実質無償になる
- 私立高校も国の支援に加え、三重県独自の上乗せ補助（年12,000円）がある
- 所得制限の判定は「年収額」ではなく「課税標準額」が基準になる
- 支援を受けるには、高校入学後などのタイミングで必ず申請手続きが必要
- 授業料以外の費用を支える「奨学給付金」などの制度も用意されている
まずは自身の所得状況を確認することから始めましょう
この記事を読んで制度の概要が掴めたら、次のステップとして、ご自身の世帯の正確な所得状況を確認してみることをお勧めします。お手元に市区町村から届く「課税証明書」や「納税通知書」があれば、そこに記載されている「課税標準額」や「調整控除の額」をチェックしてみてください。具体的な数字が分かれば、より正確なシミュレーションが可能になります。
不明点があれば学校や県の窓口に相談しましょう
制度について、もし分からないことや個別のケースで判断に迷うことがあれば、決して一人で抱え込まないでくださいね。一番の相談窓口は、お子様が在学する（または進学予定の）高校の事務室です。また、三重県の担当課（教育財務課や私学課）でも、専門の職員が丁寧に相談に乗ってくれます。