2025年度から始まる大学無償化の対象拡大により、多子世帯の学生に対する支援が注目されています。
多子世帯とは、学生本人を含め3人以上の子どもを扶養する世帯を指します。
2025年度からの施策では、世帯年収が600万円以下の多子世帯が支援対象。
3人目以降ではなく、3人全員が対象となっています!
本記事では、多子世帯は本当にずるいのか。制度の現状、対象条件、メリットとデメリット、支給額と限度額、特別な支援、併用可能な支援制度について詳しく解説します。
大学無償化2024年の多子世帯の現状と対象条件
2020年からスタートした「高等教育の修学支援新制度」は、大学生や専門学校生への大きな支援となっています。
そして、2024年度からは、この制度が多子世帯にも拡大される予定です。子育て世帯にとって、大学無償化は大きな救いとなり得ます。
特に3人目以降の子供を持つ多子世帯の皆さんにとっては、教育費の負担軽減に大きな期待が持てるでしょう。
多子世帯はずるいという声もありますが、世の中の流れを考えるとラッキーだったのかもしれません。
しかし、3人なら約1000万円もの金額となりますのでネットがざわざわするのも当然のように思います。
今回はこの制度の現状と対象条件について、詳しく見ていきましょう。
大学無償化とは何か?現行の制度の概要
「大学無償化」とは具体的に何を指すのでしょうか。これは、国が低所得世帯の学生に対して授業料の減免や給付型奨学金を支給する制度です。
現行の制度では、住民税が非課税世帯が主な対象で、これにより私立大学に通う学生も年間約161万円の支援を受けられます。
この制度の目的は、高等教育への機会均等を実現すること。つまり、経済的な理由で高等教育を受けられない状況を改善しようという取り組みです。
多子世帯の大学無償化は2025年度から開始
現在の制度では多子世帯の多くが支援の対象外です。
そこで、2024年度からは多子世帯にも手が差し伸べられることになりました。
これは、特に教育費の負担が大きい多子世帯にとっては、明るいニュースです。
2025年度からの施策では、世帯年収が600万円以下の多子世帯が支援対象となり、大学無償化の恩恵を受けられるようになります。
これは、少子化対策と人材育成を目指す重要な政策の一環かもしれません。
多子世帯の定義と対象者の数え方
多子世帯は、学生自身を含め、18歳未満の子どもが3人以上いる家庭を指します。
ここで注意が必要なのは、扶養する子どもには、学生本人の兄弟姉妹や養子縁組した子どもが含まれますが、高校卒業後の子ども、学生本人の配偶者や子どもは含まれない点です。
対象者の数は、学生と扶養する子どもの総数で計算されます。
例として、学生と3人のきょうだいがいる場合、対象者数は4人となります。
大学無償化の対象となる学校と学部
対象となるのは、国公立大学、短大、高専、専修学校など特定の高等教育機関です。
ただし、すべての機関が対象ではなく、文部科学省が定める機関要件を満たす必要があります。
これには、経営の安定性や教育の質が含まれます。
2024年からは、これらの要件が厳格化される可能性があり、対象となる教育機関が減少するかもしれません。
対象となる学部は基本的に全てですが、私立の理工農系学部には特別支援があります。
大学無償化の対象となる学生の条件と成績基準
大学無償化の対象となる学生は、以下の条件を満たす必要があります。
ポイント
- 世帯年収600万円以下
- 扶養する子どもが3人以上
- 機関要件を満たす高等教育機関に在籍
さらに、学業成績が一定の水準(通常は学年の上位50%)を満たしている必要があります。
成績基準を満たさない場合、支援が減額されるか停止、返還される可能性があります。
大学無償化の支給額と限度額
支給額は、授業料の減免と給付型奨学金の合計で、最大約161万円です。
ただし、これは限度額であり、学校や学部によって異なります。
例えば、学費が年間100万円の場合、100万円が限度額となり、授業料減免が120万円であっても100万円までのみ適用されます。給付型奨学金も同様に、実際の学費を上回る支給はありません。
大学無償化 2025年は3人目以降ではない!多子世帯のメリットとデメリット
2025年度から始まる多子世帯向けの大学無償化政策は、大きな期待とともにいくつかの課題も抱えています。
この政策によるメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
多子世帯の教育費負担の軽減と出生率の向上
多子世帯は教育費の負担が大きいため、この政策による支援は家計に大きな安心感をもたらします。
特に私立大学に通う場合、年間約161万円の支援が可能になり、これは平均的な教育費の約8割に相当します。
また教育費の負担軽減は、子育てに対する不安や抑制要因を減らすことにつながり、出生率の向上に寄与する可能性があります。少子化問題に対する一つの解決策として期待されます。
そして、経済的な理由で高等教育を受けられない学生が減少し、学力や意欲に応じた教育機会が提供されることで、社会全体の人材育成に貢献します。
多子世帯の大学進学率の向上と人材育成の促進
多子世帯の大学無償化のもう一つのメリットは、大学進学率の向上と人材育成の促進です。
多子世帯は、教育費の負担が高いことが、高等教育への進学を断念することや進学先を選択することに影響しています。
特に、学力や意欲が高い学生でも、経済的な理由で高等教育の機会を失っているケースがあります。
これは、個人の能力開発や社会の人材育成にとって、大きな損失です。
多子世帯の大学無償化によって、多子世帯の学生は、経済的な理由で高等教育を諦めることなく、学力や意欲に応じて学べる環境を得ることができます。
これは、多子世帯の学生の将来の可能性を広げるとともに、社会にとっても有用な人材を育てることにつながります。
でもでも、そもそも3人子供を授かるっていう選択肢があること自体が裕福の証なんじゃないかな…
ネットが荒れてしまうのは、経済的な理由で2人目や3人目を断念している人が多いからだと思います!
多子世帯の大学無償化の財源と財政負担
多子世帯の大学無償化のデメリットは、財源問題と財政負担。
学無償化には大規模な財源が必要で、これが消費税の増税や国債発行による国民の負担増につながる可能性があります。
特に消費税の増税は低所得者にとって重い負担となり得ます。
多子世帯の大学無償化の不公平感と反発
不公平感の発生
多子世帯への大学無償化は、所得制限や子どもの人数に基づくため、不公平感を生じさせる可能性があります。
例えば、世帯年収が600万円を少し超える家庭や、子どもが2人以下の家庭は支援の対象外となります。
これは、多子世帯以外の学生や家庭にとって不公平に映るかもしれません。
また、同じ多子世帯であっても、子どもの年齢や進学先による支援額の違いが生じることがあり、教育費の負担に差が生じます。
そりゃ…子供が2人以下の保護者の方が多いわけだから反発は出るよねぇ!
社会的反発
多子世帯の大学無償化政策は、政府と文部科学省によって推進されていますが、財源や財政負担、効果の限界に関する懐疑的な意見も存在します。
一部のメディアや専門家からは、この政策が子育てに対するインセンティブとして機能するかについて疑問の声が上がっています。
多子世帯の大学無償化の効果と限界
効果の不確実性
教育費の軽減や出生率の向上、大学進学率の向上、人材育成などの効果は期待されていますが、これらは必ずしも確実に実現するわけではありません。
教育費の軽減が子どもを産む意欲を直接的に高めるとは限らず、出生率の向上には教育費以外の要因も大きく影響します。
同様に、進学率の向上が社会のニーズに応えられる人材を確実に育成するとは限りません。
限界の認識
多子世帯の大学無償化は、他の社会的・経済的要因に左右されるため、その効果には限界があります。
また、教育の質や多様性、就職支援など進学後の環境の整備も重要です。
政策の成果を最大化するためには、これらの要素も考慮する必要があります。
多子世帯の大学無償化に関するよくある質問
多子世帯の大学無償化について、よくある質問とその回答を紹介します。
大学無償化の多子世帯は2024年から対象ではないのか?
多子世帯の大学無償化は、2024年度に高校を卒業する学生が初めて対象となります。
つまり、2025年度から高等教育機関に入学する学生が支援の対象です。
2024年度に高等教育機関に入学する学生は現行の制度の対象ですが、世帯年収が約270万円以下の場合のみ支援を受けられます。
2023年度に卒業するうちの子は対象外なんて、やっぱり納得できない…
そうだよねぇ、学費ってかなりの金額になってくるから2024年に年収600万円以下への救済措置がほしいよねぇ。
大学無償化の多子世帯は私立大学も対象なのか?
多子世帯の大学無償化は私立大学にも適用されますが、すべての私立大学が対象ではありません。
文部科学省が定める機関要件を満たす私立大学のみが対象です。
ちなみに、志望大学は対象なの?という方は文部科学省の支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧をご確認ください。
機関要件は経営の安定性や教育の質に関する指標を含み、2024年度からはより厳格になる予定です。
大学無償化の多子世帯は医学部や法学部も対象なのか?
医学部や法学部も多子世帯の大学無償化の対象ですが、これらの学部には特別な支援が提供されます。
医学部の学費は通常より高く、在学期間が長いため、授業料の減免額や給付型奨学金の支給額が通常よりも増額されます。
同様に、法学部の学生に対しても授業料の減免額と給付型奨学金が増額され、法科大学院への進学を支援します。
大学無償化の多子世帯はひとり親世帯も対象なのか?
ひとり親世帯も多子世帯の大学無償化の対象となります。
この制度は、父母のいずれかが欠けて子どもを育てている世帯にも適用されます。
所得制限や子どもの人数に関わらず、ひとり親世帯の学生は大学無償化の支援を受けることが可能です。
大学無償化の多子世帯は兄弟姉妹の年齢に関係なく対象なのか?
兄弟姉妹の年齢は、多子世帯の大学無償化の対象になるかどうかには影響しません。
多子世帯の定義は、学生本人を含む、扶養中の18歳未満の子どもが3人以上いる世帯を指します。
高校を卒業していない場合は、19歳の兄弟姉妹も扶養されている子どもとしてカウントされます。
大学無償化の多子世帯は他の支援制度と併用できるのか?
多子世帯の大学無償化は、他の一部の支援制度と併用可能です。
例えば、学生支援給付金、入学支援金、貸与型奨学金、学費減免制度などは併用が可能です。
これにより、教育費の負担をさらに軽減することができます。
一方で、学生就学支援給付金や学生就学支援特別給付金などは併用できません。
これらの制度は重複支給を防ぐための措置だと思います。
まとめ:大学無償化は多子世帯に注目が集まる
まとめ
- 多子世帯とは、学生本人を含めて扶養する子どもが3人以上いる世帯
- 多子世帯の大学無償化は、2025年度から開始される予定で、2024年度に高校を卒業する学生から適用
- 多子世帯の大学無償化の対象条件は、2024年は世帯年収が600万円以下であること、扶養する子どもが3人以上であること
- 多子世帯の大学無償化の支給額は、授業料等の減免額と給付型奨学金の支給額の合計額で、最大で約161万円
- 多子世帯の大学無償化の限度額は、学校や学部によって異なるが、一般的には、学費の実額に相当する金額
- 多子世帯の大学無償化のメリットは、教育費の負担の軽減と出生率の向上、大学進学率の向上と人材育成の促進
- 多子世帯の大学無償化のデメリットは、財源と財政負担、不公平感と反発、効果と限界
- 多子世帯の大学無償化の特別な支援は、医学部や法学部に通う学生に対して、授業料等の減免額と給付型奨学金の支給額を増額
- 多子世帯の大学無償化の併用できる支援制度は、学生支援給付金や入学支援金、貸与型奨学金、学費減免制度
- 多子世帯の大学無償化の併用できない支援制度は、学生就学支援給付金や学生就学支援特別給付金